1984年と2012年の人間ドックの結果を比較すると、9.6%から32.4%へと3倍以上も増加しています。つまり、2012年時点では3人に1人が肝臓に何らかの問題があるということです。
2012年では男性だけでみると40%にものぼり、実に2.5人に1人もの男性が肝機能異常を抱えていることになります。
※ 1984年は、高中性脂肪血症と高コレステロール血症をまとめて高脂肪としていたので省略。
※ 出典:2012年「人間ドックの現況」 (公益社団法人 日本人間ドック学会)
オルニチンは、肝臓の働きを保ち、疲労回復を助けるアミノ酸で、もともと私たちの身体の中に備わっています。「遊離アミノ酸」と呼ばれるものの一種で、血液に溶け込んだ状態で体内を巡り、肝臓では有害物質であるアンモニア解毒を担うなど、重要な働きを担っています。
オルニチンは、「オルニチンサイクル」という代謝経路を活発化させ、アンモニアの解毒をおこない、以下のような効果があります。
肝臓には、アンモニアを解毒する「オルニチンサイクル」などの主要な代謝経路があります。
オルニチンを口から摂ると、腸で吸収され、肝臓や腎臓、筋肉などに運ばれます。肝臓にたどり着くと、「オルニチンサイクル(尿素回路)」というアンモニアを代謝する経路で働き、アンモニアの解毒を促進します。また、アンモニアを減らすことで肝臓でのエネルギー産生を助けています。
試験前後の血清中ALT、γ-GTP、ASTT値の変化量をそれぞれ算出したところ、オルニチン摂取群の方がプラセボ群に比べ、改善した方が多いことが明らかになりました。オルニチンには成長ホルモンの分泌を促進する作用があり、成長ホルモンにより脂質代謝が改善し肝臓に蓄積した脂肪が分解され、その結果、肝機能の数値が改善した可能性が考えられます。
※ ALT、AST、γ-GTPは主に肝臓に多く存在する酵素。数値が高い場合は、脂肪肝、アルコール性肝障害などが疑われる。
(引用:日本人間ドック学会ホームページ)
出典:菱田. Food Style 21 16(11)87-9, 2012
肝臓は75〜80%切り取られても、自らを修復しながら黙々と働くので「沈黙の臓器」とも呼ばれています。この高い再生能力のお陰で病気になっても症状が出にくいのです。
よって、健診の数値を定期的にチェックし、日頃から肝臓をいたわりながら生活習慣をみなおしていく事が大事です。食生活の中ではサプリ等で手軽に補えるオルニチン(目安量400mg〜800mg)を摂ることをおすすめします。