NASH(非アルコール性脂肪肝炎)とは、飲酒歴がほとんど無いにも関わらず、アルコール性の肝炎を呈する症状です。日本では予備軍も含めると1000万人に達すると云われており、放置しておくと肝硬変や肝臓ガンに至るリスクがあることからも、予防の重要性が喚起されています。NASHモデル動物にオルニチン含有食餌を摂取させ、肝臓への脂肪蓄積の抑制効果や、脂質代謝促進効果を評価することで、NASHへの進行抑制効果を検証しました。
16-20週齢の雄ウサギ。
①高脂肪食(10%コーン油および1.25%コレステロール含有食;100 g/日)摂取群
②高脂肪食+オルニチン(75 mg/日)摂取群
③高脂肪食+オルニチン(750 mg/日)摂取群
※ n=5
16-20週齢の雄のウサギに、コーン油とコレステロールを含む高脂肪食を与えることにより脂肪肝を惹起させた。
8週間にわたり、高脂肪食のみを与えた群、高脂肪食とオルニチンを同時に与えた群を作成し、オルニチンの脂肪肝抑制効果を検証した。


高脂肪食のみを摂取させた群と比較して、オルニチンを同時に摂取させた群では、肝臓中の中性脂肪量が減少しました。また、中性脂肪量の減少、遊離脂肪酸量の上昇がみられ、これらは体内の脂質代謝系が亢進していることを示しています。さらに、脂肪肝では、脂質代謝を促進する成長ホルモン機構が減衰し、成長ホルモン受容体量も低下するのに対し、オルニチン摂取群ではこれを抑止する傾向がみられました。
この結果から、オルニチン摂取により脂肪肝の進行が抑えられ、オルニチンはNASH等の脂肪肝を抑制する可能性が示唆されました。この制御機構の一部には、成長ホルモンよる脂質代謝亢進が関与していると考えられます。

出典:大阪市立大学大学院・河田則文ら
Copyright(c)2012 Ornithine laboratory, all right reserved